子宝どっとこむ

 

 二重人格(分身)

1845年(24歳)の作品
お勧め度☆

「二重人格」は人格の二重性を追求した文学かと思いきや、本物の分身の登場とそれに伴う主人公の精神的破滅というストーリーで、人格の二重性から生まれた分身という意味では「二重人格」というタイトルもうなずけないではないが、誤解を招く表現である。
ところでこの本は、駄作ではないが、非常に冗長で(そこがドストエフスキーらしいところなのだが)、とても読み進めにくい。半分ほど読めば、あとは一気に読めなくも無いが、それというのも『早くけりをつけたい』という一心から読み進められるだけのことである。ドストエフスキーを愛するもの以外にはとてもしまいまで読むことは出来ない相談だろう。
「二重人格」が処女作である「貧しき人々」に続く作品で、ドストエフスキー自身が愛した作品であることから、ドストフリークとしては一応の敬意を評せねばなるまい。しかし、当時の文学界から既にこき下ろされ、現代ではよほどの愛好家でなければその存在すら知られないという事実が、この作品に対する雄弁な評価であることに、私も異議を唱えることはしない。

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