子宝どっとこむ

 

 総合的に申し上げます

私はジブリの作品が大好きです。
はっきり言って大半のディズニー作品より歴然とした差をつけて上位です。(PIXERの作る映画は割りと好きで子供には見せてあげていますが・・・エンターテイメントとして☆)

つい「大人も楽しめる、子供向けのアニメ作品」として被っているジャンルなので比較してしまいますが・・・ディズニーを好んで子供に見せている親には「アメリカ的な勧善懲悪を身に付けさせたいの?」と言いたくなってしまいます。(絶対に直接は言わないけど。愛があってイイものだと信じて見せてるんだろうし★)

ジブリには「ハッキリとした敵味方感覚」は出てきません。本当~に悪いだけの人、最後には殺されるのが当然という人、それをやっつける正義のヒーローやヒロインなど、全く存在しません。私は製作者としてのそういうジブリの立場がとても好きなのです。

比較してしまうと、大半のディズニーはいつも「悪をやっつける正義の主人公、殺しても愛と正義があれば全てが許される」というこじつけのハッピーエンドが見え隠れするので、私は観ていてあまり楽しくありません。お姫様は少し苦労した結果、ステキな王子様と結婚して幸せに暮らしましたとさ~で終わり?!と思ってしまい、あまり感動しません。(愛する人との結婚が人生のゴール?といった妙な感覚に襲われる私・・・)

ジブリの描くヒロインは悲しみと涙を持って、痛みを伴わせながら多くの愛する人のために、己の命を投げ打つ覚悟で悪の根源と向かい合う、という立場です。ナウシカVS父を殺し巨神兵を復活させたクシャナ、シータ&パズーVSムスカ&軍隊、サン&アシタカVSエボシ&ジコ坊、千尋VS湯ばーば・・・完全な悪人で主人公に殺されて当然だよ!といったキャラ設定は全くありません。

ムスカはか~な~り~悪いヤツでしたがシータが直接殺したワケではないし、クシャナもナウシカは決して殺しませんでした。サンは積年の恨みからエボシと対峙しますが、ハッキリ言って立場は弱く、サンが殺されてもおかしくないような戦い方です。映画では割り込んだアシタカの方が多くの血を流して死にかけていますが、サンはそれでもアシタカに感謝も同情もせず、しかし大嫌いな人間だからと直接殺すわけでもありませんでした。千尋も湯ばーばを憎むワケでもなく、運命を受け入れながら彼女なりに懸命に努力して、誠実に生きる力を得たことで両親を取り戻せました。

「トトロ」「パンダコパンダ」「魔女宅」「ぽろぽろ」には敵というもの自体が出てきませんし、「ほたるの墓」や「ぽんぽこ」は大雑把に言うと「戦争」や「人間」が敵(というかテーマ)であったりします。

宮崎氏の「立場が違えば論理が違う・・・でもそれをお互いに理解しようと努力して、共存して生きていくことは出来ないものか?」という、「自然と人間の共生を、心から強く望んでいるからこそ生まれるメッセージ」を、どの作品でも随所に感じます。


作品一つ一つに必ず、「この作品のメッセージは、コレだ!」という台詞があるのも好きです。

私は個人的に、シータの「人間は、土から離れては生きていけないのよ」が、一番好きです。
もちろんポルコの「飛ばないブタは、ただのブタだ」も大好きです。フィオの言う「キレイ・・・世界って本当にキレイ」も名言だと思います。
リンの「当たり前だよ、雨が降ったら海くらい出来るさ」や、銭~ばの「それはきっと思い出せないだけだね」もステキなフレーズだと思います。
キキのお父さんのオキノさんが言う「いつのまにこんなに大きくなっちゃったんだろう」も親心を見事に表していて、こんなことを抱きしめながらサラリと言えるお父さんと娘っていいな~♪と思っています。
ナウシカの「誰が世界をこんな風にしてしまったのでしょう・・・」はグサッときますし、雫ちゃんの「そっか、私も頑張ればイイんだ!」や「お荷物だけなんてイヤなんだから~っ!」はドキッとします。
清太さんと節子ちゃんのおばさんが言う「通りません!」はめっちゃ怖くて私は泣きそうになります。(子供にたま~に使ってみますが、大概半泣きになってます・・・笑)

さりげなく盛り込まれている愛やエゴ、楽しさと苦しみ、美徳や虚栄、利己と利他・・・子供時代には「面白かった~」で終わるだけでも、大人になってみれば「あぁ、そういうことだったのか~」と気付くことがまだまだ沢山あった!という奥の深さは、キューブリック映画にも匹敵する練られたストーリーで、いつ観ても常にどこかで感動してしまいます。

「共に、生きよう」。アシタカのこの台詞に、宮崎氏の全ての作品に通じるメッセージが詰め込まれているのではないでしょうか?
私は子供にも「悪いヤツは居なくなればイイ」ではなく、「多くの苦労をして己の血や涙を伴っても、どうにかして共に生きることはできないものか?」と考えながら努力する人間になって欲しいと思うので、やはりディズニーよりジブリを選んで見せているのです。

子供は「見るもの」が、価値観の形成に強く影響を受けますから。
とても素直なので、「見たまま100%」が入っていきますから。

私は民放をほとんど見せません。私が見ませんから。(笑)
価値のある番組はNHKが作っている数少ない番組だと思っています。民放は頻繁に入るCMがウルサイし、奪い合いや裏切りや戦いが多すぎます。

あなたは「でも今の現実の世界はこうだから、そ~んな夢見がちな理想の世界に浸ってたら、子供が現実社会で生きていけなくなるんじゃな~い?」と思いますか?しかし、奪い合って殺しあって裏切って平気!なフィクションを見ている子供がそういう大人になり、そういう現実社会を作っていく・・・と考えたら、まずは今、自分から見せないことです。

そんな悲しいフィクションを吹き込まなくても、己で一度体験すると身にしみてキチンと学習します。そして子供は強くなるのです。「現実世界で自分は生きていかなければいけない」ということだけ判っていれば、子供は色々と考えて努力します。
そこで「考えて努力する力」が育っていないと、「もうイヤだ~あいつが悪いんだ~あいつさえ居なくなればイイんだ~」と人のせいにしたり逃避することしか出来ない人間になりますよね。「全部コイツのせいだ!」とブスッ☆とやっちゃう人になってしまいかねません。

私はそこまで考えて、子供に映像を与えています。
テレビは「子守をしてくれる便利な機械」ではありません。
あなたも一度、子供に見せるものを熟考してみませんか?

 Trackback Pings(0)

No trackbacks found.

 Comments(1)

#1: Posted by Vulcan [RES]

なるほど、深いね、勉強になります。

 Post a Comment

コメント用フィード